窓の断熱性を高める!樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違いと選び方

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世界の樹脂サッシシェア率

出典
日本:令和4年住宅建材使用状況調査、日本サッシ協会(2023)
アメリカ:Home Innovation Research Labs(2013)
イギリス、フランス、ドイツ:Interconnection Consulting(2016)
韓国:日本板硝子(株)調査データ(2011)

樹脂サッシのメリット

・断熱性が高い アルミに比べて熱伝導率が1/1000なので、外部の温度を伝えにくい特徴があります。

・結露が生じにくい サッシで湿度は調節できませんが、断熱性が高いため結露発生を抑えることが出来ます。

・防音効果がある 樹脂サッシはアルミ樹脂複合サッシ(以下、複合サッシと呼びます)との製造過程の違いで気密が高く、防音効果も期待できます。

日本で樹脂サッシが29%しか使われていない理由

・金額が高い
一番の理由がこれです。ただ高いから使わないという住宅会社の社長さんがいます。それほんとですか?私はすぐ費用対効果のことを考えてしまいますけどね。

例えば1棟分のサッシの金額の違いが30万円だとすると、最低でも30年使うわけですよ、1年で1万円の恩恵を受けていませんか?熱のほとんどは窓から移動してきます。

断熱性能が上がればそれだけで光熱費は下がります。
冬の暖かさや、結露の水取り、ひどい場合カーテンも濡れます。それで十分、恩恵は受けられると思います。

・開け閉めが重い
確かに複合サッシと比べて重いですね。でも開け方のコツが分かれば、女性の方でも問題ないレベルです。私は逆にその重さに、しっかりした安心感を覚えます。

・寿命が短い 
これも確かにアルミと比べると耐久年数は短いかも知れません。

樹脂サッシの材料はPVCというポリ塩化ビニルで出来ています。
バケツや洗濯ばさみで使われているプラスチックは、数年で劣化して風化しますが、PVCは30~50年は品質の劣化はほとんどありません。

上下水道のパイプでも使われているくらいですから長期にわたって使える材料であることは間違いないでしょう。
ここは「比べる」ではなく、その住宅に住む期間に「足りる」かどうかですね。

出典 樹脂サッシ工業会HP

見解

世界が標準にする理由、日本では普及しない理由。
その違いは、建築会社が「建築金額をイニシャルだけで考えるか、ランニングも含めて考えるか」です。

世界が使っているから、よくわからないけど使ってみよう。ではなく、世界がなぜ、樹脂サッシ以上の性能を標準としているのか、なぜ、複合サッシを使わないのか?を考えて頂きたいと思います。

もっと普及すれば、樹脂サッシも安くなるかも知れませんね。

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この記事の執筆者

小浦義一 こうらよしいち

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名古屋市の建築会社 夢工房キッチンくらぶ代表 1971年生まれ。
大工にてキャリアをスタートし大手ハウスメーカー設計の住宅を数多く手掛ける。
図面に忠実に、そして技術的に無駄が無い。ことを心情とし建築家設計の難解な住宅の施工も担う。手掛けた案件が新建築に掲載された実績もあり。

会社設立後は全てのお客様の図面、線一本にも責任を持つことを掲げ、一棟一棟、熟練の職人とともに年間受注棟数を限定しながら、高断熱・高気密・高耐震、そして自然素材を主とした健康で安心して永く住み続けられる住みやすい住宅を提供している。

主な資格は、二級建築士、住宅断熱アドバイザー、住宅断熱施工技術者、第二種電気工事士 宅地建物取引士 など

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