家を守る透湿防水シートの基礎知識と選定ポイント

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導入

水蒸気は通すが雨は通さないシート

同じ水分なのに、水蒸気は通して雨は通さないという不思議な透湿防水シートは建物でいうと一番大切な部分を守る役目があります。

雨を構造躯体の中に入れないという絶対条件とともに、躯体内の湿気を逃して水分を貯めない(結露させない)ということが必要なのですが、下図のように雨と水蒸気の粒は大きさな違いがあり、それをうまく利用した構造になっています。

透湿防水構造図

メンブレン=膜(この場合シートを指します)
参考:日本透湿防水シート協会

透湿防水シートに求められる性能

①引っ張り強度

シートはタッカーで止めることが多く、作業時に引っ張ることもあります。その時に破れてしまわないことが求められます。

②剥がし強度

継ぎ目や重要な個所はブチルテープで補強する場合があります。万が一貼り直す場合の時でも、シートの表面がはがれてしまってはいけません。

③対紫外線強度

シートを貼ったあと外装材を貼り終わるまで、数週間かかる場合もあります。

その間にも紫外線劣化は進んで行きます。長期間太陽にさらされた時に、シートが薄くなったり孔が空いてしまってはいけません。

④対熱劣化強度

紫外線にさらされなくても、外装材が貼られた後は太陽光が当たる部分は特に常に熱が加わっています。

この熱に対しても十分な強さをもっていなければなりません。

⑤対薬剤劣化強度

防蟻防腐材が躯体の柱や面材に塗布される場合や、胴縁に防腐材が注入される場合もあります。

雨に溶けだした胴縁の薬剤が透湿防水シートに悪影響を与える可能性もあります。その場合も薬剤に影響されることなく防水性を維持しなければなりません。

付加価値としてあると良い性能

⑥遮熱性能

外壁に当たった太陽熱が躯体の中を通り、部屋に達する温度を、2℃~4℃下げることができます。

これに関しては諸説いろいろありますが例え1℃でも下げてくれれば、エアコンの電気代がいくらかは下げてくれると思います。

見解

透湿防水シートは日本製のものもたくさんあり、性能も金額も様々ですが、6つの性能を満たすものはなかなかありません。

引き渡しを受けてから何年も見ることができない部分で20年をめくった時に大変なことになっていることに気付いても時すでに遅しです。

やり替えるとなると数百万円はかかりますし、躯体の柱が腐っていたり、シロアリの被害を受けていたりと、耐震上危険な状態になっているかも知れません。

新築時に工事費が数万円上がったとしても、性能や耐久性には安心したものを使いたいですね。

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この記事の執筆者

小浦義一 こうらよしいち

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名古屋市の建築会社 夢工房キッチンくらぶ代表 1971年生まれ。
大工にてキャリアをスタートし大手ハウスメーカー設計の住宅を数多く手掛ける。
図面に忠実に、そして技術的に無駄が無い。ことを心情とし建築家設計の難解な住宅の施工も担う。手掛けた案件が新建築に掲載された実績もあり。

会社設立後は全てのお客様の図面、線一本にも責任を持つことを掲げ、一棟一棟、熟練の職人とともに年間受注棟数を限定しながら、高断熱・高気密・高耐震、そして自然素材を主とした健康で安心して永く住み続けられる住みやすい住宅を提供している。

主な資格は、二級建築士、住宅断熱アドバイザー、住宅断熱施工技術者、第二種電気工事士 宅地建物取引士 など

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