どこにこだわる?
家づくりで、間取りや仕様、デザインを考える時や提案してもらう時が一番ワクワクしますよね。
私が「はじめての家づくりセミナー」でお話しする際には、こだわるポイントは「後でやれない部分」と言っています。
やりたいこと、使いたい物で、住んでからやれない事は、初めにお金をかけましょうという意味です。
例えば、床板です。
床板を数年後に貼り替えるとするととても大変で、まず剥がす事は事実上無理です。
床板の後施工で巾木という部材があるし、場合によっては壁が後施工になっている事もあります。
なので、リフォームで通常行われる方法は、貼り増しをするという方法です。
それでも、ドアが床板に当たって開閉できなくなって下端を切らなければならないことも発生したり、和室との段差を解消したりと色々と余計な費用が必要になります。
他に後でやると大変になる工事は壁で、中身の断熱材とサッシです。
これらをやり替えるとなるとビフォーアフター並みの大工事になります。
外壁や屋根も同様に大変高額な費用が必要になります。逆に後で出来る工事は内装クロス・塗り壁です。上から水性塗料が濡れるものや、しっくいなら上塗りもできます。
つまり、剥がさずに上から施工できるもので施工がされていれば、ご自身でもできますから材料代だけでメンテナンスが可能です。ということで、「あとでやれない部分」にこだわってくださいね。
性能にこだわる
家を長持ちさせるためには、性能にこだわりが必要です。
耐震等級・断熱材・サッシ・外装材・屋根材・防蟻処理が性能に関係する部分です。
耐震等級は、等級1,2,3がありますが、「2つの計算方法」ので金額が変わります。
耐震性能ありきですが制震ダンパーも検討はしたいところです。
断熱材は材料単体の性能値ではなく施工の確実さと「お値段以上の付加価値」が生活に豊かさを与えます。
サッシは6地域でしたらペアガラスかトリプルガラスかは予算次第で良いですが、樹脂かアルミ樹脂複合かを「費用対効果」で考えましょう。
外装材・屋根は10年よりも15年、15年よりも20年の「長寿命」の材料を選ぶことをお勧めします。
防蟻処理に関しては、人と家の健康を考えて、「安心と長持ち」の物を選びましょう。
内装にこだわる
日頃、よく見る部分ですから、雰囲気や素材にはこだわりたいですよね。
内装は、壁・天井仕上げ、内装造作材、フローリング、ドア、照明器具などでこだわります。
壁や天井をどう仕上げるかというのは、無限と言っていいほど様々な方法があります。
特にビニールクロスはメーカーもグレードも豊富ですから迷いますね。
紙クロスがお勧めですが、ビニールクロスの柄の中には、木目調、タイル調、塗り壁調、布柄、モルタル調などがあります。
しかしそれらは所詮「フェイク」ですから素材で雰囲気を出すのでしたら、ぜひ「本物」をお使いください。
紙とそれら本物の劣化ではなく経年変化を楽しむ暮らしをお勧めします。
内装造作材は、棚・カウンター・窓枠・巾木、廻り縁などです。
新建材、集成材、無垢の木などを使います。
カラーは内装の雰囲気を左右する大きな要素ですから、「統一感のある配色」でお考えください。
フローリングは貼替の難易度が高いところなので、お手入れの良さと耐久性が良いものをお勧めします。
なおかつ、お好みの木目の種類でかかる費用が変わりますし、貼り方などでも予算は激増します。
単純に一方向に貼って行くより、斜めに貼ったり、ヘリンボーンやパーケット柄にするには施工手間が2~3倍かかりますので、「数年経っても飽きや古さを感じない」ならやる価値はあります。
ここでは、ドアは引戸や収納扉も含めてドアと呼んでいますが、「材質やデザイン、規格サイズか造作扉か、塗装済か無塗装か」によって費用は随分変わります。
ドアノブや引手もカラー・形はたくさんあります。照明器具は基本はダウンライトで構成して、コーブ照明・コーニス照明などの建築家照明で天井や壁を照らし、ペンダントライトでアクセントを付けるのが通常のパターンですが、デザイン照明でちょっとした癒しの空間をやわらかい光で演出したりと、「生活にON・OFFのメリハリを付ける」のにも有効なアイテムです。
設備にこだわる
住宅設備は最新の物であれば、そこまであとで後悔なんてしないと思います。
大きく変わるのはキッチンの配列によってです。
お値打ちな順に、I型・ペニンシュラ(半島)・アイランド・2列型・L字型の5種類で、金額は100万円弱の物から300万円越えのものまでブランドと機能によって大きな開きがあります。
初めにここの予算を予測しておかないと、我慢の家づくりになってしまいますから概算でもよいので把握しておきましょう。
ほかの設備は、お風呂・トイレ・給湯器・洗面台です。もしガス乾燥機が使いたい方は、ガスの引き込み工事もかかりますので、設備とインフラで費用が増すことも念頭におきましょう。
こだわり=お金
性能・内装・設備にこだわると費用が上がることがお分かりになったと思います。
これから何十年も住み続ける家に妥協ばかりあっては、なんだか楽しい家づくりではなくなってしまいますよね。
「あとでやれない部分」の優先順位を高めに、あとのやりたいことはランク付けをして上から予算を振り分けることをお勧めします。
そして、標準仕様も参考にしてください。
標準仕様はそのビルダーが商材メーカーや施工業者と打合せをしてお値打ちに入れることが出来る物が多いです。
標準仕様から外れてオプション扱いが増えると、お得感がなくなっていきます。
ご自身の「やりたいことが標準仕様」になっているビルダーでお話を進めると「満足度の高い家づくり」が出来ると思います。
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この記事の執筆者
小浦義一 こうらよしいち
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名古屋市の建築会社 夢工房キッチンくらぶ代表 1971年生まれ。
大工にてキャリアをスタートし大手ハウスメーカー設計の住宅を数多く手掛ける。
図面に忠実に、そして技術的に無駄が無い。ことを心情とし建築家設計の難解な住宅の施工も担う。手掛けた案件が新建築に掲載された実績もあり。
会社設立後は全てのお客様の図面、線一本にも責任を持つことを掲げ、一棟一棟、熟練の職人とともに年間受注棟数を限定しながら、高断熱・高気密・高耐震、そして自然素材を主とした健康で安心して永く住み続けられる住みやすい住宅を提供している。
主な資格は、二級建築士、住宅断熱アドバイザー、住宅断熱施工技術者、第二種電気工事士 宅地建物取引士 など
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